SIC(シューズインクローゼット)とWIC(ウォークインクローゼット)は、リノベーションにおいて人気の収納方法です。それぞれの違いをしっかりと把握することで、ライフスタイルに合った選択が可能になります。どちらも魅力的な収納スペースですが、目的や使い方次第で適切な選択が異なりますので、リノベーション計画を立てる際にはその点に留意しましょう。
まず、SICとは「シューズインクローゼット」の略で、靴を履いたまま出入りできる収納空間を意味します。主に玄関の隣に設けられ、靴だけでなく、コート、スポーツ用品、自転車、ベビーカーなども収納できます。玄関がすっきりと片付き、外で使用する物をそのまま収納できるのが特徴です。特に、頻繁に自転車やベビーカーを利用する家庭には、SICが非常に便利です。
一方、WICは「ウォークインクローゼット」の略で、広い収納空間に歩いて入れるクローゼットのことを指します。主に衣類や生活用品を収納するために使われ、季節家電や布団なども収納可能です。SICと異なり、靴を履かない室内仕様が基本となります。WICの大きな利点は、広々とした空間を利用して、衣類や荷物を一か所に集約できる点です。最近では、家族全員の衣類をまとめて収納する「ファミリークローゼット」としての利用が人気で、洗濯後の衣類を効率的に収納できる動線もポイントです。
リノベーションでこれらの収納スペースを取り入れる場合、間取りも重要な要素です。SICは玄関に隣接することが多いですが、ウォークスルー型のレイアウトにして、玄関と居室の動線をつなぐと、さらに使い勝手が向上します。例えば、SIC内で靴を履き替えてからリビングに進むことで、玄関の乱雑さを軽減できます。一方、WICは寝室や洗面室の近くに配置されることが一般的です。最近では、洗面室とWICを直接結び、洗濯物の整理がしやすいレイアウトが好まれています。
広さに関しては、SICは2畳程度のスペースを確保すれば十分な収納力を発揮します。収納したい物の量や家族構成に応じて、必要なスペースを調整しましょう。WICの場合は、収納する物だけでなく、歩くためのスペースも必要となるため、2畳以上、理想的には3畳以上のスペースを確保するのが望ましいです。
また、SICとWICは「ウォークイン型」と「ウォークスルー型」という2種類の動線が考えられます。ウォークスルー型は通り抜けが可能で動線が効率的ですが、その分間取りに余裕が必要です。一方、ウォークイン型は一つの入口しかないため、動線は少し複雑になるものの、収納スペースを無駄なく使うことができます。
SICとWICを適切に活用し、動線や間取りを工夫することで、生活がさらに快適になります。リノベーションの際は、家族の生活スタイルや収納ニーズに合わせて、最適な選択をしてください。